最近の猛暑は本当に異常ですね。今日は、わたしたちの住む山梨県甲州市塩山の山あいでも、夕方、雷雨が降りました。いよいよパリ・オリンピックが始まりますが、多くの競技は夜中のTV放送になるようです。みなさん、夜ふかしには気をつけましょう。
さて、「じゃがいも掘りの話」で書いたように、キッチン勝手口の前の畑で採れたじゃがいもが段ボール二箱分もありました。そのうち段ボール箱一箱分は知り合いにお裾分けしましたが、まだ一箱ちょっと残っているのです。じゃがいもは冷暗所に保存すればかなり長期間保つので、焦る必要はありませんが、やはり新鮮なうちに食べたいものです。そこで、いつもの蒸かし芋から脱却し、誰もが喜ぶポテトチップス作りに挑戦することにしました。
手作りのポテトチップスは、市販品とは一味違うフレッシュな味わいが楽しめます。何より食品添加物を一切使用しないので、安心していただけます。このブログ記事ではポテトチップスの豆知識と、収穫したじゃがいもを使って自作のポテトチップスを作る工程や美味しく仕上げるためのポイントなどを紹介します。自宅で手軽に作れるポテトチップスのレシピをお楽しみください。
ポテトチップスの歴史
欧米のポテトチップス
ポテトチップスの歴史は意外と古く、1800年代初頭には欧米の料理研究家の間で知られていたようです。
- 1817年:イギリスの料理研究家ウィリアム・キッチナーが最古のレシピを記載
- 1824年:アメリカでもメアリー・ランドルフの本『ヴァージニアの家政主婦(Virginia House-Wife)』でキッチナーのレシピが紹介される
- 1825年:イギリスで発行されたフランス料理の本に「ジャガイモのフリット」(Somme’s de Terre frites)という料理が紹介される
- 1832年:N・K・M・リーの『料理人の座右帖(Cook’s Own Book)』でキッチナーのレシピが言及されている
- 1900年代:アメリカで多くのポテトチップス製造業者が誕生、食料品店などで樽や瓶に入ったポテトチップスが量り売りされる
- 1920年代:鮮度を保つための小袋入りポテトチップスの販売開始
- 1950年代:Tayto社による世界初の味付けポテトチップスが登場
ちなみに、「ポテトチップス」(Potato chips)という呼称はアメリカ英語の呼称で、イギリスやアイルランドでは「クリスプス」(crisps)というようです。イギリスで有名な「フィッシュ・アンド・チップス」の「チップス」は「ポテトチップス」ではなく「フライドポテト」に相当するとのこと。
日本のポテトチップス
日本では、太平洋戦争終結後に帰国したハワイ移民の濱田音四郎氏(1911年生まれ)が、昭和20年代にアメリカン・ポテトチップス社を設立し、ハワイのフラダンスに由来する「フラ印ポテトチップス」として販売したのが始まりとされています。「フラ・ブランド」のポテトチップスは、現在でもソシオ工房(東京)により販売が継続されています。
おつまみの販売会社として創業した湖池屋は、1962年に「湖池屋ポテトチップス」を発売し、1967年に日本で初めてポテトチップスの量産化に成功したそうです。わたしの子供時代(つまり50年くらい前)は、ポテトチップスは観光地のお土産屋さんのようなお店で買うものという印象があり、普通の町のお菓子屋さんではまだ買えませんでした。
その後、カルビー、ジャパンフリトレー、山芳製菓、ハウス食品、ヤマザキビスケットなど、多くの食品メーカーがポテトチップス製造に参入しています。特にカルビーの「百円でカルビー・ポテトチップスは買えますが、カルビー・ポテトチップスで百円は買えません。あしからず……」という当時14歳だった藤谷美和子さん出演のTVコマーシャルは非常にインパクトがありました。昭和51年(1976年)のことです。この頃からポテトチップスは、普通のスーパーマーケットや町のお菓子屋さんでも買えるようになったのだと思います。
現在では日本国内で生産されるジャガイモのおよそ2割弱がポテトチップスに加工されているとのことです。
発祥の俗説
ポテトチップスの発祥について、「アメリカ合衆国ニューヨーク州サラトガ・スプリングズのレストラン、ムーン・レイク・ロッジのシェフ、ジョージ・クラムが発明した」という次のような物語が有名です。
「ある日、クラムの客(一説によれば、アメリカの大富豪コーネリアス・ヴァンダービルト)が、フライドポテトが厚すぎると苦情を言い、何度も作り直しをさせました。うんざりしたクラムは、フォークで刺せないほど薄切りにしてカリカリに揚げ、客を困らせようと考えました。しかし、予想に反してその客はこの料理を大変気に入り、この料理はすぐに『サラトガ・チップス』(Saratoga Chips)という名でレストランのメニューに登場し、たちまちニューイングランド地方で一般的なものになりました。」
しかし、今では上記のようにポテトチップスの考案者はクラムではないと考えられています。サラトガの歴史家によると、この俗説はレストランのジョークと実在の人物を組み合わせた作り話であると結論付けられています。
手作りポテトチップスレシピ
さて、いよいよポテトチップス作りです。
●用意するもの(適量)

- じゃがいも
- サラダ油
- 塩
男の手料理なので、材料もこんな感じで適当で構いません。大抵のご家庭にあるものです。
●作り方
①じゃがいもは泥を洗い流して皮をむき、芽を抜き取る。ピーラーを使うと便利。
②じゃがいもをスライサーで薄切りにし、水に10分ほどさらして余分な澱粉を取る。
③キッチンペーパーなどで水分を拭き取る。
④鍋にサラダ油を2~3cmほど入れ、160~180℃くらいの温度で揚げる。軽くきつね色っぽい色がついて、チリチリチリ……という音がしなくなったら、引き上げてキッチンペーパーの上で余計な油を落とす。この時、あまり濃く色がついてしまうと揚げ過ぎです。鍋から引き上げて、キッチンペーパーで乾かしている間にも余熱で少し色がついていきます。油の中で、きつね色になるかならないかくらいの微妙な感じが良いと思います。





⑤揚げたポテトチップスと塩適量をビニール袋に入れて、よく振って塩をまぶす。この時、青のりと塩をまぶせば「のり塩味」、粉末のコンソメを混ぜれば「コンソメ味」が楽しめます。わたしの好みは、塩とブラック・ペッパーの「塩胡椒味」です。この辺りの風味付けもお好みですので、何度か試してみて調整してください。塩も精製塩ではなく、岩塩やピンク・ソルト、クレイジー・ソルトなど色々試してみるのも面白いと思います。
ポテトチップスの作り方としては、以上です。非常に簡単で、お休みの日の午前中にでも大量に作り置きしておけば、数日は楽しめます。保存の仕方は、100円ショップなどで売っている鮮度保持袋やキッチンパックに入れて冷蔵庫で保存すれば、一週間ほどは保ちます。ポテトチップスは、湿気が大敵ですので、食べ残しはくれぐれも放置しないように注意しましょう。

今回、わたしと家内は午前9時ごろから作り始めて午前中一杯かかりました。作業自体は単純ですが、じゃがいもの数によっては手間がかかりますね。わたしにとって初めてのポテトチップス作りへの挑戦でしたが、とっても美味しくできました。美味しくできて気分が良いので、男の料理シリーズが始まるかも……です。手作りポテトチップスをパリパリ食べながら、今晩もビールが捗りそうな勢いです。