日本ほうれん草-畑の様子

日本ほうれん草のおひたし

昨夜もまた、ひと雨ありました。先月まで雨らしい雨が降らない日がずっと続いていたのですが、畑の土もようやく水分を含んで、しっとりと落ち着いてきました。よかった、よかった。

今、私の畑では、昨年9月後半に種を蒔いた日本ほうれん草がようやく収穫時期を迎えています。同じ頃に蒔いた小松菜は、この冬の乾燥に耐えられず葉が枯れてしまいましたが、ほうれん草のほうはなんとか踏ん張ってくれました。えらいぞ、ほうれん草。

ほうれん草の原産地はアフガニスタン周辺の中央アジアとされており、ヨーロッパには11世紀頃、中国には唐の時代に伝わったといわれています。日本には、中国で発達した東洋種(日本ほうれん草)が16世紀末に、西洋種(西洋ほうれん草)が明治期に入ってきたようです。ずいぶん長い旅をしてきた野菜なんですね。

東洋種は葉に切れ込みがあって根元が赤みを帯びるのが特徴。アクが少なく歯切れが良いので、おひたしや和え物にぴったりです。一方の西洋種は葉が楕円形で、根元は白っぽい。アクがやや強めなので、炒め物やソテーに向いています。見た目も性格も、なかなか対照的な兄弟です。身近な野菜でも意外と知らないことが多いもので、こうしたことをあれこれ調べるのも、自分の畑をやっているからこその楽しみです。

今、私の畑で育てているのはトーホクの「日本ほうれん草やまと」という品種。「食味の良さが定評」で「寒さや病気にも強い」と種苗メーカーのホームページには書いてあります。ところが今冬は雨が少なかったせいか、それとも私の畑の土のせいか、成長がゆっくりで葉が少し縮れ気味になりました。カタログと現実のあいだには、いつも少しばかり距離があるようで……。

もっとも、ほうれん草はもともと土や肥料に気難しく、栽培がやや難しい野菜だそうです。でも私はプロの農家じゃありませんから、家族と自分が美味しく食べられればそれで十分。見栄えは一切、気にしません。その日に食べる分だけを畑から摘んできて、すぐに調理する――これが私のやり方です。

昨夜はおひたしにしてもらいました。「昔からあるほうれん草の味」とでもいうのでしょうか、懐かしくて、深くて、美味しかった。しばらくは、ほうれん草料理が続きそうです。

旬の野菜は栄養価が最も高く、味も濃いといわれます。鉄分が豊富なほうれん草は、漢方でも「血を補い、体を潤す」とされる食材。自分の土地で採れたものを旬のうちにいただく――「身土不二」の教えそのままの食べ方です。健康に良いのはもちろんですが、何よりそれが、今の私の小さな、しかし確かな幸せなのです。

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